□八幡親睦委員
本日は当初の予定を急遽変更し平林明会員に「健康で楽しく生きられるハッピーライフ」と題し歯周病について話して頂きます。
□平林明会員
「8020運動」は、厚生労働省と日本歯科医師会の呼び掛けで平成元年から進められている80歳で20本の歯を残そうという運動です。入れ歯では固いものは噛めません。歯の本数によって咀嚼能力が決まってきます。20本の歯が残っていると美味しくご飯が食べられます。
ここにいる皆さんで歯周病がない人はいません。歯周病を起こす原因は、歯と歯ぐきの間にたまった歯垢の中にいる歯周病菌。歯周病菌が歯ぐきにダメージを与え少しずつ歯を支える組織を破壊していくが、自覚症状がないためひどくなるケースが多い。歯肉炎(歯周ポケット3mm以内、歯ぐきの炎症)、軽度歯周炎(歯垢、歯石が溜まる。歯ぐきから出血、膿も)、中等度歯周炎(歯ぐきがブヨブヨし口臭ひどい)、重度歯周炎(歯根露出、噛むことが出来ず歯が抜けることも)と悪化していく。歯周病菌のすみかとなる歯垢を溜めやすい悪い生活習慣に注意が必要である。健康状態が悪く抵抗力(免疫力)が落ちていると歯周病菌が発生し易い。 やわらかいものを好んで食べる、ストレス、たばこ、歯を磨かないなどが重なると更にひどくなる。歯周病は全身のさまざまな病気に関わっていることが分かってきている。例えば、歯周病によって出てくる物質がインシュリンの血糖値をコントロールする働きを妨げて糖尿病の状態を悪化させる。また、動脈硬化を起こした血管から歯周病菌が発見されており、動脈硬化、心筋梗塞を促進すると考えられている。
歯周病の最大のリスクはたばこ。たばこは、末梢の血管を収縮させ歯ぐきの血液循環を悪くし、タールが歯にこびりつくと歯垢がつきやすくなる。女性の場合、出産時に赤ちゃんに栄養が取られ歯が悪くなると言われるがこれは間違い。つわりなどで歯磨きが難しくなり抵抗力も弱っているので歯周病菌が繁殖しやすくなっているためである。
歯周病予防には、歯磨きはどのセルフケアと歯科医師等によるプロフェッショナルケアがある。歯磨き(ブラッシング)のコツは、力を入れすぎない。1本の歯の全ての面を細かく磨く、歯ブラシの角度を変えてきちんと毛先が当たるようにする等々。また、奥歯の後ろ側、奥歯の噛み合う面などは磨き残しが多いので注意すること。最近は、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)で歯垢や歯石の除去や歯の表面を滑らかにすることも出来る。セルフケアを助けるツールとして音波ブラシが効果的である。
<歯周病セルフチェック>
□歯ぐきに赤く腫れた部分がある。
□口臭がなんとなく気になる。
□歯ぐきがやせてきたみたい。
□歯と歯の間にものがつまりやすい。
□歯を磨いた後歯ブラシに血が付着したり、すすいだ水に血が混じることがある。
□歯と歯の間の歯ぐきが鋭角的な三角形ではなく、おむすび形になっている。
□時々歯が浮いたような感じがする。
□指で触ってみて少しぐらつく歯がある。
□歯ぐきから膿が出たことがある。
*チェック1〜2個:歯周病の可能性あり。
*チェック3〜5個以上:初期あるいは中等度歯周炎以上に歯周病が進行している恐れあり。