riemblem  International District 2600 諏訪ロータリークラブ週報

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2,725回例会 2013.04.12(金)  No.2,616


司  会 岩波寿亮副SAA
ゲストビジター 岩下宣子先生(現代礼法研究所代表、NPO法人マナー教育サポート協会理事長)、後沢康美様(公益財団法人日本電信電話ユーザ協会事務局)
出席報告 本日73.81% 14名欠席、前回訂正91.11% 4名欠席
ラッキーナンバー No.35 藤森郁男君

ニコニコボックス 親睦・クラブ親善委員会 岡村裕司委員長
尾町毅君
岩下先生ようこそお出で下さいました。今日はよろしくお願い致します。4月25日は諏訪文化センターでビジネスマナーセミナーの講師をしていただきます。
山崎壯一君
4月7日地区協に欠席をしました。出席委員の川村さんが代って会員増強に出ていただき報告を受けました。ありがとうございました。
笠原宏文君
地区協議会お疲れ様でした。分科会すべて出席できました。ありがとうございました。
森幸俊君
結婚記念日にお花をいただきました。ありがとうございました。
北川和彦君
結婚記念の花ありがとうございました。妻が喜んでおりました。合体。
安川英昭君
写真をいただきました。
松下正樹君
写真ありがとうございました。
藤森郁男君
ラッキーナンバーに当って。

会長告知 平林明副会長
 先月、諏訪圏青年会議所が伊藤五六郎と阿呆丸の話を演劇で上映した話題を目に致しました。私がこの話を知ったのは青年会議所の時で、山田市長がこの話の紙芝居を作って色々なところで上演をしていた時だと思います。初めて聞いた時はあまりピンときませんでしたが、深く掘り下げていくと考えさせられる事が沢山ありました。皆さんもご存じだと思いますが、ここでどんな話か少しご披露します。
 文政13年(1830年)有賀村に住む伊藤五六郎は13の村の名主の連署を持って天竜川の湾曲を無くすこと、釜口から簗(やな)までの川幅を広げてほしいこと、橋は元の位置にしてほしいことなどを嘆願しました。これは諏訪湖が度々氾濫を起こしてしまうからでした。藩庁もこれに応じ様々な調査をした結果、浜中島を撤去することがまとまりました。この時、五六郎は撤去に要する人員を1万5911人と見積もり、工事の進め方、日程などを詳細に記した計画書を出しました。この内容はただ無駄に土を切り流して下流に流すことはせず、他に新しい土地を得ようという意図が読み取れます。
 五六郎は22、3歳の若さにもかかわらず、藩よりこの大工事を請け負わされました。彼はこの工事のために、従来の泥舟の20倍もの大船を使いました。人々はこの大船を阿呆丸と呼んで嘲笑いました。大船に土を積んで諏訪湖を横切って湖南、有賀村に運び、その結果六町歩もの新田が出来たそうです。この新田が中曽根の一部にあたり五六郎田圃などと呼ばれています。工事は予定通り天保元年に完了し、多くの人々の尊敬を集めました。当時は漁舟以上の大きな船は禁制だったので、阿呆丸はすぐに取り壊されたようです。
 この話は阿呆丸と嘲笑われても、自分の信念を曲げずやり遂げたことに私は感銘を受けます。職業奉仕を通じて社会奉仕に貢献していくことは、ロータリー精神にも似ていると思います。先日の丸茂先生のお話も正に職業奉仕と社会奉仕の原点のような気がしました。
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幹事報告 長田司幹事
本日は臨時理事会を開催します。
来週は花見例会です。山崎晃ガバナー補佐の最後の公式訪問を兼ねて行います。
委員会報告
IM実行委員会 玉本広人副委員長
IMの事業報告書の作成に当たり皆様にパネルディスカッションの模様について文字起こしをお願いいたします。10名の皆様にお願いしますので、3月24日までに私にお送りください。よろしくお願いします。

グラブフォーラム 新入会員卓話
尾町毅会員
 本日は卓話をご指名いただきありがとうございます。私は電話屋でございますので日頃から電話の応対には大変気を使います。企業価値を高めるにはいろいろありますが、CSの向上は欠かせません。お客様にご利用いただくサービス以上に、応対する人間の印象でお客様の満足度は大きく変わります。近頃はおかしな日本語が増えているように感じます。今日は最近気が付いたことをお話しいたします。
 レストランに行きましたら「お客様、お皿のほう、お下げしてよろしいですか?」と言われました。「皿のほう?」ちょっとおかしな感じがしました。他にも「お席のほう、ご案内いたします」「ご出席のほう、いただけますか」「社長のほうから、お話し申し上げます」など最近は多いそうです。「〜のほう」と言うのは「のほう言葉」と言われています。2月の会長告知で「方」とは方角ではなく比較、区別する意味であるとのお話がありました通り、比較する物がない時に使うとおかしな日本語となります。テレビでもアナウンサーが「時刻のほうは7時になります」と言っているのを聞いて、日本語もいよいよ危ないなあと感じました。一説によれば「のほう言葉」の愛好家を「のほうず」と呼ぶそうでございます。
 ちょっとしたことですが、正しい日本語を使える人は人生経験豊かで聡明な印象を受けるものです。世の中にはいろいろな作法がありますが、それに拘り過ぎると堅苦しくなります。「相手を思いやる心」が言葉や行動に表すことができれば気持ちは伝わると思います。国際交流が多いロータリー会員にとってマナーは大切であるということで、本日はマナーデザイナーの岩下宣子先生をお招きいたしましたので紹介させていただきます。
マナーデザイナーとして活躍されている岩下宣子(いわした・のりこ)先生は1945年東京都生まれ。大学をご卒業後、キッコーマンに入社されました。
全日本作法会の故内田宗輝氏、小笠原流礼法の故小笠原清信氏、お茶の水女子大学名誉教授の森下はるみ氏のもとでマナーを学ばれました。
昭和60年に現代礼法研究所を設立。平成15年には「子供たちに思いやりの気持ちを」とのねらいでNPO法人マナー教育サポート協会を立ち上げられ理事長をされています。
また、日本電信電話ユーザ協会の電話応対コンクール審査員などを務められ、企業、公共団体、商工会議所などでマナーの研修、指導、講演をされています。
テレビ朝日系「SmaStation」などメディアでも活躍され主な著書には、
『マナスマブック - SmaSTATION!! 』(テレビ朝日)
『図解 マナー以前の社会人の基本』(講談社)
『社会のマナーとしくみがわかる おとな辞典』(講談社)
『知っておきたいビジネスマナーの基本』(ナツメ社)など多数ございます。
また、4月25日には諏訪文化センターでビジネスマナーセミナーの講師をしていただきますので、多くのの皆様のご来場をお待ちしております。本日は「マナーは人生のお守り」と題してお話を頂きます。

岩下宣子先生 「マナーは人生のお守り」
 皆様こんにちは、私はマナーの勉強が大好きで時々ごはんを食べるのを忘れるくらいです。マナーと申しますと、とても堅苦しく考えている方が多いのですが、私は新渡戸稲造が「武士道」の中で言っている「マナーは愛」という言葉が大好きでこの勉強に励んでおります。
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岩下宣子先生
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”Love”マナーは愛
 新渡戸稲造は旧5000円札に出ていますのでお馴染みですが、日比谷高校の校長、東京女子大学の学長など教育者でもあります。それから国際連盟の初代事務次長を務め、奥様はアメリカ人です。国際的なお付き合いの中で日本的なやり方、例えば贈り物をするときに「つまらない物ですが・・・」と言いますが、欧米の方に新渡戸稲造が「つまらない物ですが」と言ったところ「つまらない物ならば、くれなければ良いのに」と言われました。なぜ日本人がこのような表現をするのかと言うと、例えば私が皆様にプレゼントをするときは千葉県の船橋中を走り回ります。私は船橋に住んでいますので船橋の中を探し回り、ようやくの思いで見つけます。買い求めてくるのですが、いざ貴方の前にお持ちした時、貴方が素晴らしい方だから、貴方の前では私の持ってきた物がつまらない物に見えてしまいます。という意味で日本人は「つまらない物ですが」という表現をするのだそうでございます。
 とにかく日本的なやり方で欧米の方とお付き合いをしていくと、なぜこんな言い方をするの?なぜこんなやり方をするの?と言われます。日本人のハートはこういうものだと世界中の人に知ってもらいたいと思い英語で書いたのが「武士道」です。その中でマナーについては『体裁を気にして行うならば礼儀とは、浅ましい行為である。真の礼儀とは、相手に対する思いやりの心、それが外にあらわれたもの。礼儀の最高の姿は、愛と変わりありません』と書いています。私がこんな対応をしたら、私にとって得になるかな?私は好かれるかな?そんな思いでやるのならば礼儀とは浅ましい行為です。本当のマナーとは、私がこの方だったらどんな言葉を掛けたらほっとしていただけるのか、お役に立つのか、喜んでいただけることになるのか、自分のことは少し脇に置いて相手の立場、相手の気持ちになって考える、思いやりの心が外に表れたものが礼儀の最高の姿と変わりないということです。
 "Love"と言う言葉が伝わってきた時、日本人はこれを「愛」と訳しませんでした。何と訳したかと言うと「ご大切」です。愛は自分を大切にするように、相手も大切にする心です。命をとられたら嫌なので、人の命もとらない。いじめられたら嫌だから、人もいじめようと思わない。本当に一人ひとりの人間が自分を大切にするように、思いやりの心で人も大切にできたら、この世に戦争も争いも無くなると思います。
 思いやりの心は脳を活性化するそうです。松本元(まつもと・げん)という脳科学者が人間の脳に限りなく近いコンピューターを作っていました。そのために人間の脳を研究しており、人間の脳を活性化するのが「愛」と「希望」と「感動」なのだそうです。年を重ねるたびにどんな人間になりたいのか、目標を持って生きることが「希望」です。聖路加国際病院の日野原重明先生は昨年10月で101歳を迎えましたが、120歳まで仕事を入れているそうです。
 先人たちは「思いやりの心」をことわざで残しています。『情けは人の為ならず。巡り巡って己が身の為』人にはなるべく良くしてあげなさい。自分にできる限りのことをしてあげなさい。そうすると自分や自分の家族や自分の子孫にやってくるものだという意味です。
 「思いやりの心」は人の考え方がそれぞれ違うように、いろいろなマナーの形があります。初めて会った人はなかなかわかりません。先人たちがこんなことを気を付けたほうが良いと伝えているのが「マナーのルール」です。
 例えばお葬式でどんな色の洋服を着て行けば良いのか、黒い洋服を着て行くことで安心して居られる。その安心感が心の余裕となり周りの人の気持ちや立場に立って考えることができるのです。マナーのルールは、先人たちが我々に思いやりの気持ちを発揮し得る為に今に伝えている生活の知恵だと思います。
 例えばコートは玄関の外で脱ぎますが、これは外の埃を家の中に持ち込まないように裏返しに畳むのです。私は日本経済新聞の土曜日の朝刊に入ってくる「NIKKEIプラス1」の『マナー塾』に連載していますが、そこに4回くらいコートの畳み方を書きましたが、良くわからないと言われます。この畳み方は日本人独特のもので、外国ではコートを脱いで家に入ることはマナー違反になります。外国では「どうぞお脱ぎください」と言われるまで脱いではいけません。しかし日本人は履き物を脱いで上がる民族ですから、埃を中に持ち込まないということで外で裏返しに畳みます。言葉ではお伝えしにくいので、今日はご覧いただきます。皆さんも受付嬢が驚くような、できる社長になってください。
 上座、下座も大事です。国旗、ロータリー旗も掲揚の順位があります。日本では床の間の前が第1番の上席です。床の間は神様の寝床ですが、私たちが言う神様とはご先祖様のことで、ご先祖様を祀った名残の場所です。ですから床の間の飾りは仏壇の飾り方と同じで、三具足(真中に香炉、右に燭台、左にお花)を飾ります。床の間の前では左右どちらが上席かというと、日本は左上位ですから、床の間から見て左側が上位です。「左遷」は、降格した人がこちら側から見て左(第2席)に移る意味です。「右に出るものがいない」「最右翼」は、こちら側から見て第1席を意味しています。日本では劇場の花道は下座についています。落語では大家が店子に話す時には右を見ます。殿様と家来の台詞も同様です。
 雛人形の飾り方には日本古来からの並びとプロトコール=外交儀礼に従った並びの両方があります。プロトコールは外国の人とやり取りするときにトラブルが無いように定めたルールです。プロトコールでは暖炉(飾り棚)の前が上席で、暖炉から見て右が上位です。洋間と日本間でお客様をお招きする時、並び順は逆になります。天皇皇后両陛下がお立ちになる時も国際的に配信されることからプロトコールです。雛人形では左大臣、長柄を持つ三人官女はお内裏様から見て左側に居ます。
 着物は右前で着ますが、右が最初で左が上にします。なぜ右前と言うのか、これは右をさきに肌につけて、左を重ねます。そうすると、おくみが、右にくるので右おくみで、右前というそうです。または、着せる人から見て右が前になるように着せるので右前という説もあります。
 ご飯は左に置きますが、日本人はお米によって命がある民族ですから、床の間を背にしてご飯が第1席、汁が第2席になります。
 プロトコールは右上位ですが、"right"は「右」というの意味の他に「正しい」、イスラエルでは「聖なる」と言う意味があります。反対に"left"は「左」の他に「不浄な」「弱い」と言う意味があります。テーブルマナーでは椅子の左側(下座)から出たり入ったりします。エレベータの立ち位置や車の座席順もプロトコールから作られています。
 さて、旗の並べ方ですが、これには日本礼法はありません。日本は明治3年に日章旗を国旗としました。日本は明治に開国してから英国にマナーを学びに行きましたからプロトコールとなっています。こちらの会場も右上位に国旗、第2席にロータリー旗ですね。
 外国人をゲストにお招きした時は、ゲスト国が右側、第2席が日の丸になります。中曽根首相時代のフォーカスには「あっ、間違えた」の見出しで、ドイツのコール首相との写真をプロトコールで撮り直したという逸話があります。
 人間の表情を作る表情筋は36ありますが、自分の思い通りに動くのは3つ(目、口、舌)だけ、残りの33の表情筋は感情でしか動かないそうです。嫌なことや意地悪なことを考えていると、そのような顔になるそうです。毎日温かい心で対応している人はやさしい顔になるそうです。男は40歳になったら自分の顔に責任を持つ。女は30歳までは神様からもらった顔、40歳を過ぎたら自分で稼いだ顔と言われる所以です。
 世界で活躍されている皆様ですから、ぜひプロトコールをご理解いただき、また日本の礼法も伝えていただきたいと思います。マナーは愛、思いやりの心の表現、それは脳を活性化します。情けは人の為ならず、マナーは自分のために大事です。本日はありがとうございました。
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コートの畳み方
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マナーは人生のお守り


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