2,710回例会　2012.12.7（金）　　No.2,601

八観六験は秦時代の呂不韋「呂氏春秋」に書かれており、人間を見るのに八つの見方があると言われています。 一、「通ずれば其の礼する所を観る」＝だんだん出世してきて何を礼するか。最も卑しいのはお金にお辞儀をすることで拝金主義が一番下等である。 二、「貴（きよ）ければ其の進む所を観る」＝地位が上がるにつれて優れた人材を集める、推薦するのがよい。 三、「富めば其の養う所を観る」＝富を集めて富で何をしたかを見る。 四、「聴けば其の行う所を観る」＝他人の言葉を聞いてどう行動したか見る。 五、「止（いた・とどま）れば其の好む所を観る」＝止は足型の意でそこに到達した証拠です。名声を得たとき何をしたかを見る。 六、「習えば其のいう所を観る」＝習うは羽に白は鳥の胴体を表し、雛が飛ぶことの稽古により大人になることを学ぶことです。体で勉強することが大事で、人間は話題や話を観察するとその人物がわかる。 七、「窮すれば其の受けざる所を観る」＝どんなに窮してもこれだけは受けないというものが人間にはなければならない。 八、「賤しければ其の為さざる所を観る」＝不遇におかれてどう対処したか見る。 以上の観点から投票してほしいと思います。六験は後ほど資料をご覧ください。

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グラブフォーラム　

◇	プログラム委員会 古屋了委員長
	今日はいろいろあった一年を関口会員に振り返っていただきます。たいへんな一年でしたが明るい話題を含め良い情報を提供いただけると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

卓話　

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関口良一会員　「２０１２年を振り返って」

今年は師走に入りまして大きな事故、笹子トンネルでの天上板崩落という前例のない死亡事故がおこりました。１３０ｍに渡りコンクリート板３３０枚が落ち９人が亡くなる痛ましい事故です。爆弾低気圧も発生しました。また、総選挙が公示され１２の党が乱立する選挙戦に入りました。 今年は辰年で年初めに「揺れ動く変化の年」「変革の年」と言われ、また女性に関する社会的な出来事や世界的に見ると地震の多い年になるとの予想でスタートしました。 揺れ動くでは世界中で選挙の年だったと言えます。オバマ大統領の再選、ロシアでプーチン大統領の返咲き、フランスではオランド氏がサルコジ大統領を破り当選しました。 女性と言えば嘉田由紀子滋賀県知事とか国民栄誉賞の吉田沙保里選手、サッカーの澤穂希さんでしょうか？ 歴史を見ますと辰年は１８６８年の明治維新、１９０４年の日露戦争、１９５８年のサンフランシスコ講和条約締結、１９６４年の東京オリンピック、１９７６年のロッキード事件、２０００年のシドニー五輪で高橋尚子さんの金メダル、白川英樹さんのノーベル化学賞がありました。今年もあらゆるジャンルで大きな事が起きました。 今最大の関心事は１６日投票の総選挙でしょうか？第三極が出てきましたが、第三極というのは地理学的には南極、北極に次ぐヒマラヤ山脈のことを言います。政治も高い所へ行ってほしいと思います。長野県内では５小選挙区に２３人が立候補しました。 この第三極の日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事の滋賀県では、１月２２日の大津市長選挙で弁護士の越直美氏が当選しました。女性最年少市長の誕生です。大津市は教育界が揺れました。７月に昨年１０月に発生した大津市の中学２年男子生徒自殺問題で、越市長はいじめとの因果関係ありと和解する意向を示しました。そして、滋賀県警が学校、市教委事務所を捜索。８月に大津市教育長はいじめ対応に不満を持った１９歳の男に襲われました。 小沢一郎さんは４月、陸山会事件で政治資金規正法違反で強制起訴されていましたが、東京地裁は無罪判決を言い渡しました。そして、１１月２審も無罪判決となりました。 野田さんですが１月、最善かつ最強の布陣として改造内閣を発足し消費増税を鮮明にし、５閣僚を交代させました。防衛相に田中直紀氏が就きました。 ４月、日本郵政グループを４社体制に再編する改正郵政民営化法案が成立しました。政府が日本郵政株の１／３超を持つことになり、ここに完全民営化路線は崩れることになりました。 ６月、野田再改造内閣が発足しました。閣僚１８人のうち参院で問責決議を受けた前田武志前国土交通相、田中直紀前防衛相ら５人が交代し防衛相に民間から初めて森本敏氏が起用されました。 同月、民自公３党は社会保障と税一体改革関連法案の修正と今国会成立で合意し、８月の参院で消費税の増税法案が可決成立しました。増税分はすべて社会保障の財源に充てることで財政健全化に寄与するとしていますが、実態は年金や医療・介護など現行の社会保障制度を維持するためのものであり、消費税の逆進性の問題もあり根本的な制度の見直しが不可欠であるとも指摘されています。この消費税法改正案採決で民主党は小沢一郎元代表のグループを中心に５７人が反対、１６人が欠席・棄権しました。 消費税は２０１４年４月に８％、２０１５年１０月に１０％に引き上げられることになりました。スウェーデンの消費税は２５％ですが、国税収入に占める消費税の比率は２２．１％。日本の消費税の国税収入比は２２．７％とかなり高いものとなっています。また、スウェーデンなど多くの国では食料品など生活必需品に対する消費税は非課税か低く抑えられています。 ９月、松下金融郵政民営化相が自殺。 同月、民主党代表選で野田首相が１回目の投票で有効投票の約２／３を獲得し大差で再選されました。 同月、自民党の総裁選で新総裁に安倍晋三元首相が選出されました。 １０月、野田首相は内閣改造を行い１０人を交代させ、文部科学相に田中真紀子氏、国家戦略・経済財政相に前原誠司氏などを起用しました。 同月、田中法務・拉致問題相が外国人献金や暴力団幹部との交際問題などの不祥事で２３日間で辞任に追い込まれました。これは、戦後の短命大臣としてワースト１０位です。 野田政権では鉢呂経済相が昨年９月に「死のまち」「放射能つけちゃうぞ」発言で１０日間で辞任が５位。昨年７月は菅政権で松本復興相が岩手、宮城の知事に「知恵を出さないやつは助けない」と発言し９日間で辞任が４位。１位は１９８８年の竹下政権で長谷川法務大臣がリクルート問題でわずか４日間で辞任しています。 同月、議員一人当たりの有権者数の格差が５．０倍だった２０１０年の参院選挙区選は違憲だとして、有権者が選挙無効を求めた訴訟で最高裁が「違憲状態」とする判決がくだされました。 １１月、安倍自民党総裁との党首討論で野田首相は、通常国会で衆院定数削減の実現を確約することを条件に１６日衆院を解散してもよいと思っていると表明。１６日に衆院が解散され今回の総選挙となりました。 こんな選挙もありました。 ６月、ＡＫＢ４８の２７枚目のシングル曲を歌う１６人をファンが決める総選挙がありました。１位は大島優子で２年ぶりに頂点に立ちました。投票総数は１３８万４１２２票と昨年より２２万票多くなりました。新曲のＣＤ１枚で１票が入れられる仕組みで５３万円の貯金で２７００票を手に入れたファンもいたそうです。 今年は天体ショーが賑やかでした。 ３月、金星、月、木星がほぼ等間隔で一直線に並びました。 ５月、金環日食が９３２年ぶりに広域で観測されました。広範囲の観測となったのは平安時代以来の９３２年ぶりということです。次は６２年後の２０７４年です。 ６月、金星が太陽の表面を通過しました。太陽の表面に黒い点となって７時間ほどかけての通過です。２４３年に４回だけ起こり、次は１０５年後の２１１７年になるということです。 ８月、金星が月に隠れる金星食と天体ショーが続きました。次は２０６３年です。 ７月、ソユーズが打ち上げられ国際宇宙ステーションに星出彰彦さんが滞在しました。星出さんは２度目の宇宙です。 同月、国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給船が種子島宇宙センターから打ち上げられました。 １１月、星出さんは４か月の宇宙滞在を終え無事帰還しました。ロボットアームに乗り宇宙空間を数十メートル移動する船外活動も行いました。宇宙は底がなくて怖い。ハッチを開けて船外に出ると目の前に地球があり「わあ、落ちる」という恐怖を感じる人もいるようです。２０１５年には川上村出身の油井亀美也さんが滞在します。信濃の国を歌いたいそうです。 科学の分野では、 １０月、山中教授にノーベル賞が与えられました。ｉＰＳ細胞を作製した山中伸弥教授と英国のジョン・ガードン博士にノーベル生理学・医学賞を贈ると発表しました。この後とんでもない人が現れました。ｉＰＳ細胞から作った心筋細胞を患者に移植したと発表し読売新聞などが一面に報道しました。虚偽発言をまともに受け裏付けのないまま記事にした大誤報でした。ＥＳ細胞は受精卵を壊して作るため倫理上の問題や他人の細胞を使うため拒絶反応を起こす可能性が高いとされています。ｉＰＳ細胞は万能細胞の一つで神経や血管などの組織、臓器の細胞を作り出します。 同月、ノーベル文学賞に中国の莫言（モー・イエン）氏。中国国籍の作家が受賞するのは初めてです。 ７月、ヒッグス粒子発見のニュースがありました。ヒッグス粒子は「神の粒子」と呼ばれ、質量のない粒子に重さを与える粒子で重さにより物質が生まれ世界が誕生したとされています。物質を細かく分けていくとこれ以上分けられない素粒子という粒子に行きつきます。１３７億年前に宇宙が生まれたとき多くの粒子が飛び交っていました。素粒子には重さがないため光のスピードで動き回るだけでしたが、ヒッグス粒子が生まれ飛び回る粒子に絡みつき動きを遅くすることで重さが生まれ物質が誕生したとされています。物質の誕生により星が生まれ生命を持つ世界が生まれたというものです。ヒッグス粒子の存在は１９６４年に南部陽一郎教授の理論を基にエジンバラ大学のヒッグス教授に予想されていました。実験により１０兆回に１回程度しか発生しないとされ、巨大な実験装置で５０年近く６０００人に上る関係者が探索を続けてきました。その結果、粒子の存在が９９％以上の確率で確認されましたが新たな素粒子である可能性も否定できません。 スポーツではオリンピックでしょうか？ ７月、ロンドンオリンピックが始まりました。今回は２０４か国すべてが女性を参加させた大会でした。日本は過去最多の３８個のメダルを獲りました。世界ではアメリカは総数１０４個でした。日本は世界のレベルでメダル総数は６位、金メダルは１０位でした。 ８月、パラリンピックがロンドンで開催され、中国のメダルは２３１個でトップでした。 社会的には、 ６月、オウム真理教事件関係者が全員逮捕されました。 この選挙で来年は大きく変わると思います。平穏な年になることを祈ります。

わかりやすい解説に感謝して

激戦！

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