司 会 長田 司副SAA
ゲストビジター 市立岡谷病院顧問 医学博士 会田靖夫様
会長告知 藤森和敏会長
晩秋といいますか、初冬と言いますか大分寒くなってきました。全国的に新型インフル
エンザを始めとする風邪が流行っていますが会員の皆様、ご家族様お体に充分気をつけて頂き、残すところ1ヶ月不景気風も一緒に吹き飛
ばし元気に新年を迎えましょう。
本日は会田先生をお迎えし、私たち男性にとって大変関心の深いお話をして頂けるとのことです。
お酒も用意してありますので会長告知は省略し、「?」シリーズのみと致します。
「?」シリーズその13。今日はイクラと筋子。
イクラが姉で筋子は妹のようなもの。
イクラは鮨種としても最高級品です。見た目も綺麗ですし歯触り舌触り、そして味も良く子供から大人にまで人気があります。
そのイクラは鮭・鱒類の卵です。
では筋子は何の卵かと言うと、やはり鮭・鱒の卵なのです。製造法に若干の違いがあるだけでイクラは鮭・鱒から成熟した卵巣を取り出し、
木綿または麻製の網の上で揉み解して卵の粒を採り、飽和食塩水中に20分程浸して汚物等を取り除き、更に塩分を加え水切りをしたもの
です。それに対し筋子は未成熟の卵巣をそのまま塩漬けにしたものです。取り出した卵巣は水槽内でよく水洗いして水切りをした後、樽内
で塩漬けにされます。
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イクラはロシア語の「IKRA」からきており、広く魚の卵のことです。ロシアではチョウザメの卵、つまりキャビアもイクラと言います。
イクラは高価なだけにコピー食品も出回っていますが、見分け方は水に入れて白濁すれば本物、しないと偽物です。
幹事報告 八幡一成幹事
今日は特に幹事報告はないので、ゆっくりと会田先生の話をお聞きしたいと思います。
夜間例会 プログラム委員会 小口武男委員長
今日は、男性が元気になる例会ということで会田先生をお招きし講師例会及びその後の懇親を含めての楽しい例会になればと思って
います。実は今回の例会において、是非こういう話をロータリーのプログラムの中でしてほしいと強くメンバーから話を頂き、今日の
催しとなりました。
先日、ロータリーのバスハイクで上田・丸子に行った際、池波正太郎記念館では館長から丁寧な話をして頂きました。
私も池波正太郎が大変好きで、早速本を上中下の3冊を購入しました。この本は「男の秘図」という題名で、読み始めるとのめり込む内容
で、あっという間に3冊完読しました。主人公は徳山権十郎という人で、苦労した若い頃から出世していくまでの物語を書いた本です。
権十郎は後に火付盗賊改となりますが、勤めの傍ら女性を描きたい願望から秘図を描いた物語であります。
男性は常に女性に憧れており、誰もが持つ男性の永遠の課題であり、それにより男性は生き生きと暮らしていくことができると思います。
今日は会田先生には、前立腺肥大と男性機能というテーマでお話を頂きます。小口先生にご紹介頂き、会田先生に来て頂くことが実現しまし
たが、医学的な見地から男性が元気になるお話を頂きたいと思います。
小口先生より会田先生のご紹介をお願いしたいと思います。
◇小口寿夫会員
2ヶ月ぐらい前に小口プログラム委員長から連絡を頂き、今回のテーマで話をして頂ける人を紹介してほしいとのことでした
ので、アカデミックな話を期待されていると考え、学問的に泌尿器科の専門の会田先生にお願いしたところ、快く了承して頂きました。
会田先生は昭和40年に信州大学を卒業され、信大で講師をされた後に岡谷病院に来られました。5年前に岡谷病院の院長に就かれ、
今も診療を続けておられます。
卓話 市立岡谷病院顧問 医学博士 会田靖夫様
今宵は伝統あるロータリークラブにお招き頂きまして、誠にありがとうございます。
今回のテーマはアカデミックに話すと大変に難しい内容です。
まず、10年前にクエン酸シルデナフィルという薬が日本で発売になりましたが、医学者が男性の機能について、いくら調べても解らなかっ
たことが、偶然この薬で、あっという間に仕組みが明らかになりました。最初、販売会社は血管拡張剤として売り出すため、その効果を
高血圧の患者さんに試すためにボランティアを集い、血圧のデータを収集しましたが、血圧は全然下がらず、この薬は失敗に終わったと
考えました。ボランティアに配った薬の回収を始めましたが、男性からの回収が悪かったことから、調べてみると男性の機能に効果がある
ことが判明し、この販売会社は目的を変えて販売を開始し隆盛を極めました。
同じようにαブロッカーという薬がありますが、血管拡張作用があることから血圧の薬として開発をしましたが、女性から苦情が多く、
諦めかけましたが、男性の前立腺障害に効果があることが判り、この薬も有名になりました。
このように偶然の機会で成功しましたが、偶然とは「棚からボタ餅」ではなく、それなりの研究の蓄積があって、方向が違った時に知識の
蓄積があったからこそ方向転換ができたと思います。
次に前立腺肥大症と前立腺癌についてです。男性更年期と言われる60歳過ぎに前立腺肥大症と前立腺癌が始まってきますが、男性ホルモン
が大きな役割を果たしています。男性ホルモンが一番活発なのは20歳前後で、ピークを過ぎると徐々に減ってきますが最後まで残っています。
前立腺癌の場合、初期は症状がないのですが、男性ホルモンがあると育ちますので進行してくると大変な症状が出てきます。前立腺は膀胱と
尿道の付根にパイプを取囲むようにあり、腫れてくると尿道を圧迫する肥大症、癌になると周りに影響が出てきます。
前立腺は体の表面からは直接診ることも触ることもできませんので、直腸疹という方法で行いますが、最近では同時に超音波によりかなり
正確に情報をキャッチすることができます。前立腺の構造はミカンの実を想像して頂くと、皮の部分が本来の前立腺で、身の部分は若い内
は無いのですが、年齢と共に役に立たないものが筋腫のように現れてきます。肥大症は55歳ぐらいから始まりますが、ミカンの身の部分
が腫れてきて尿道を圧迫し、尿を出にくくします。健康な40歳代の男性で250CCの尿を15秒くらいで出し切ります。癌は、初めの
症状が無いので、非常に精度の高い血液検査や超音波や触診で診断します。
前立腺癌の治療の歴史は、70年位前にアメリカのハギンスという医師が、進行していた癌患者の睾丸を除去することで劇的に縮小した
ことから、治療法として男性ホルモンを絶つことを医学で応用されるようになりました。
また、男性ホルモンと対立する女性ホルモンを投与することにより同等の効果を得ることが分かり、大きな成果を収めたことから、
ハギンス医師は後にノーベル生理学医学賞を受賞しました。
最近では再び放射線治療が注目を集めています。昔は腹壁や他の臓器に後遺症が現れましたが、現在は精密にコンピュータで計算し
狙った部位への放射ができるようになりました。
また、前立腺に放射線を持ったシャープペンシル程度の細い芯を差し込み、前立腺の中から放射線治療を行っています。
ただし、癌が体中に広まってしまえば、全身に放射線をかける訳にはいかないのでホルモン治療に頼らざるをえない状況です。
肥大症は、尿の出をよくする手術や薬による治療でかなり効果がありますが、完全に治すことはできず、発展途上の治療法であると思いま
す。
男性の機能障害ですが、原因は心の問題と体の問題があります。心の問題は仕事、不安やストレス、対人関係等があり、体の問題として
筋力の低下、疲れやすい、ホルモンと自律神経のアンバランスによる発汗等があります。
治療薬としては、冒頭お話したクエン酸シルデナフィルがありますが、血管を拡張させるだけで脳からの信号がないと効果はありません。
昔から男性機能に効果のある食品として、ゴマ、山芋、サツマイモ、ウナギ、牡蠣等があります。
他には効果は分かりませんが漢方薬の八味地黄丸や植物のイカリソウが有名です。逆にタバコは血管を収縮させるので絶対に良くないと
言われています。肥満の男性は血中男性ホルモンが減少しますので肥り過ぎは良くないと言われています。
また体力も必要ですし、メンタルな面で相手を思いやる心が重要です。
雑駁な話でしたがこれで終わりにしたいと思います。本日はありがとうございました。
会長謝礼 藤森和敏会長
会田先生には大変お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
会員の皆様は本日のお話を胸にお元気で過ごして頂けたらと思います。御礼の拍手をお願い致します。
この後、お酒の席がありますので充分楽しんでご歓談していって下さい。
乾杯 山崎壯一会員
本日の会田先生の講話の内容が幸せな夫婦円満の秘訣だと思います。
会田先生どうもありがとうございました。皆さんのご健闘をお祈りし乾杯。
閉会 早出由男会員
最後に閉めの発声
皆さん和やかに、楽しく、名残惜しいうちに閉会となりました。
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