藤森和敏クラブ奉仕委員長
5月から裁判員制度が開始されます。今日は片野裁判官にお話を頂きます。また、関係するDVDを頂きましたのでご覧下さい。
片野正樹諏訪支部支部長
平成16年5月21日「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立し、平成21年5月21日から裁判員制度が実施されます。
裁判所は、行きたくないところと思います。裁判所でなにを行っているのか?どのように行っているのか知られていなかったと思います。結果のみを知らされ、何故そうなったのか疑問に思われたと思います。きわめて専門的になってきて親しみもなくなっていたと思います。そのようなことからこの制度が出来ました。国民の方々に知って頂きたくと同時に刑事裁判に国民の意見を反映します。司る案件は周辺で起きた身近なことです。
○裁判員制度とは
国民のみなさんに裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう制度です。
国民のみなさんが刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民のみなさんの信頼の向上につながることが期待されています。
裁判員制度が導入されると国民から選ばれた裁判員6人と裁判官3人が一緒に刑事裁判の審理を行います。
長野県では、長野地方裁判所本庁、長野地方裁判所松本支部で実施されます。
○裁判員に選ばれるまで(裁判員選任手続き)
@衆議院議員の選挙人名簿に基づき、翌年の裁判員候補者名簿を作成。
(県全体で3600名、諏訪84名、岡谷88名、茅野90名)
A裁判員候補者名簿に記載されたことを通知。(11月〜12月)
B事件ごとに裁判員候補者名簿の中から、くじで裁判員候補者を選定。
Cくじで選ばれた裁判員候補者に質問票を同封した選任手続期日のお知らせ
(呼出状)が送付。
質問票を返送し、辞退が認められる場合には、
呼出しが取消され裁判所へ行く必要はない。
D選任手続(裁判の当日)では、辞退を希望しないか質問票の記載のみでは
辞退が認められなかった方は、選任手続の当日裁判所へ行く。
裁判長は候補者に対し、不公平な裁判をするおそれの有無、辞退希望の有無・理由など
について質問される。(非公開)
E裁判員6人・補充裁判員(必要な場合)が選ばれる。
通常であれば午前中に選任手続を終了し午後から審理が始まる。
呼出状が送付され、受け取りから約5週間(発送から約6週間)で公判期日当日となる。
一日目は、午前選任手続き、午後第一回公判、二日目は第二回公判と連日開廷される。
○裁判員を辞退できる場合
原則として辞退できません。
ただし、国民の皆さんの負担が過重なものとならないようにとの配慮などから
法律や政令で次のような辞退事由を定めており、裁判所からそのような事情にあたる
と認められれば辞退することができます。
@70歳以上の人
A学生、生徒
Bやむ得ない理由があって裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難なひと
C地方公共団体の議会の議員(ただし会期中に限ります。) など
○やむを得ない理由とは!
@重い疾病や傷害
A同居の親族の介護・養育
B事業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じるおそれがある
C父母の葬式への出席等、社会生活上の重要な用務がある
D妊娠中又は出産の日から8週間を経過していない
E重い病気又はケガの治療を受ける親族・同居人の通院・入退院に付き添う必要がある
F妻・娘の出産に立ち会い又はこれに伴う入退院に付き添う必要がある
G住所・居所が裁判所の管轄区域外の遠隔地にあり裁判所に行くことが困難である
○裁判員の仕事(公判・評議)
@どのような事件を扱うか
殺人罪
強盗致死・傷罪(強盗がひとにけがをさせたり、死亡させてしまった場合)
傷害致死罪(人にけがをさせ、死亡させてしまった場合)
現住建造物等放火罪(人の住む家に放火した場合) など
A裁判員の仕事
三人の裁判官と一緒にチームを組んで被告人が有罪か無罪か、
有罪の場合はどんな刑が相応しいかを決める
B評議とその仕方
有罪か無罪かの判断、量刑の判断については、裁判員と裁判官は同一の権限です。
最終的には、多数決(ただし、裁判員・裁判官双方の意見を含むことが必要)
となります。
裁判員6人と裁判官3人がチーム一丸となって結論を見つけて行きます。
皆さんが考えたことを反映していただければ良く、証拠から何が言えるかであります。
裁判員の意見が合わなくて当然です。
他の人の意見を聞いて考えていただければ良く、それでまとめていただければ良いです。
一生懸命に審議していただければ良いと考えています。
○裁判員を守る制度
@誰であろうと裁判員の氏名・住所等を公表してはならない
A誰であろうと事件に関して裁判員に接触してはならない
B評議の秘密を漏らしてはならない
(評議における自由な発言の保護、他人のプライバシーの保護)
いつでも誰でも来て見ていただければ幸いです。ご協力をお願いします。
<参考>
公判:刑事事件の法廷のこと
評議:証拠を全て調べ、事実を認定し、被告人が有罪か無罪か有罪だとしたらどんな刑にするべきかを裁判官と一緒に議論すること
評決:決定すること
任務終了:評決内容が決まり法廷で裁判長が判決の宣告することにより終了
裁判員制度のホームページがありますので参考にしてください
http://www.saibanin.courts.go.jp/