riemblem International District 2600 諏訪ロータリークラブ週報

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2620回例会 2010.12.17(金)  No.2511


司  会 藤森省作 SAA
ゲストビジター 諏訪清陵高校 篠原秀郷校長先生
出席報告 本日80.00% 15名欠席 前回訂正89.80% 7名欠席
ラッキーナンバー No.1 藤森省作君

ニコニコボックス
 藤森郁男君
  しばらくご無沙汰致しました。
 平林明君
  篠原先生、本日はよろしくお願いします。
 折井俊美君、古屋了君
  篠原先生ようこそ。
 藤森省作君
  篠原校長先生、本日はよろしくお願いします。ラッキーナンバーに当って。

会長告知 折井俊美会長

 本日の例会は諏訪清陵高等学校の篠原校長先生にお出で頂きました。
 先日、県の教育委員長の矢崎和弘様に中高一貫教育についてお話頂きましが、今日は校長先生に具体的なお話を聞かせて頂けると期待し ます。先生、よろしくお願い致します。
 今日は「明治神宮の森」について話したいと思います。
 明治神宮は明治45年の明治天皇が崩御し、続いて大正3年の昭憲皇太后が崩御すると、お二入の遺徳を偲び官幣大社明治神宮を創建す ることになりました。境内地は代々木の御料地で広さは70万uに造営され、大正9年に鎮座祭が行われました。この付近はもともと森の ない荒野であったため人工林を造ることになりました。大勢の林業、農業、造園の一流の専門家が集められ造園計画が大正10年に作成さ れました。そして日本各地・朝鮮半島・台湾から365種12万本が献木され植えられました。昭和45年の調査では、247種17万本 になっていました。
素材
明治神宮の森
出展:Wikipedia
 林苑計画では現在の生態系で植生遷移という概念が取り入れられました。潜在自然植生にあった多様な樹種を多層に植えることで、およ そ100年後に広葉樹を中心とする極相林を実現させるというものです。手入れや肥料をせずに自然の力により、永遠の森を形成させると いうものです。結果はすばらしいもので、約50年でほぼ極相林といえる常緑と落葉の混合樹林ができ、都心の貴重な緑地として親しまれ ています。人工林を意図的に自然林化したものとして、今日の生態系、造園学の基礎となっています。
 私達も若い頃は何度も神宮の森に勉強に行きました。皆さんも東京に行く機会がありましたら是非神宮の森を見てきてほしいと思います。

幹事報告 古屋了幹事
IMと会員セミナーの案内が届いています。1月の第2例会にガバナー補佐さんと、IMの実行委員 長さんが来られご案内がありますが、3月6日(日)13時からライフプラザマリオで行われます。
 会員セミナーは三井章義パストガバナー、講演会は北海道の植松電気の専務さんの講演です。懇親会も計画されており、登録料は 6,000円/人で事前登録です。

委員会報告
親睦・クラブ親善委員会 武田道仁委員
来週24日に迫りましたクリスマス例会は沢山の方が参加を予定しています。
 昨日、玉本会員、那須会員と一緒に山へ登り、折井会長の指揮の下、クリスマスツリーを伐採してきました。今年も良い木を剪定できた と思います。明日はツリーに飾り付けを行い、クリスマス例会を盛り上げていこうと思いますのでよろしくお願いします。
社会奉仕委員会 朝倉英仁委員長
毎年お願いしていますが、書き損じハガキの回収をします。
 期間は2月末までですが、年賀状で書き損じがございましたら協力をお願いします。書き損じハガキの回収運動は世界の学校に行けない 子供達が約7,500万人、大人になっても読み書きができない方々が約7.76億人いると言われています。このような人々に学びの 場「寺子屋運動」の資金にする有意義な運動ですので協力をお願いします。

クラブ協議会 中島伸一会員
 本日はお忙しい中、諏訪清陵高校の篠原秀郷校長先生をお迎えして「中高一貫教育」についてお話を 伺います。
 篠原先生は1950年に北御牧村、現在の小海町でお生まれになりました。広島大学の哲学科を卒業された後、1978年に長野県の 高校教員に就任され2002年に長野県教育委員会高校教育化に勤務されました。2006年に野沢北高校の校長に就任され、2008年 に清陵高校の校長として赴任され現在に至っておられます。

卓話 「中高一貫教育について」諏訪清陵高等学校 篠原秀郷校長

 今日は伝統ある諏訪ロータリークラブにお招き頂き、ありがとうございます。また、貴重な時間を頂き、話をさせて頂くとのことで大変 感謝しております。諏訪郡内には10校の高校がありますが、様々な所でご支援・ご協力を頂き、この場を借りて感謝申し上げます。
 今日は「中高一貫」についてお話をさせて頂きます。
 今年に入って新聞等で紹介されている内容等についてお話ししますので、是非理解して頂くとともに、準備が本格化されますと県等に対 し学校としての働き掛けを行いますのでご支援を賜れば大変ありがたいと思います。
 中高一貫校は、平成22年時点で全国に402校あります。公立未設置の県は全国で長野・鳥取・富山の3県です。ちなみに富山県は 準備が進んでいますし、鳥取県は鳥取東高校から本校に視察に来ています。
 長野県も含め、全ての都道府県で公立の中高一貫高校が実施される運びになります。
素材
篠原秀郷校長卓話
 中高一貫の形態は3種類あります。
 一つ目の中等教育学校は小学校から中学校へ進学する際に募集し、そのままの集団で6年間就学するスタイルです。中等教育学校は3年 生の次が4年生で5年生、6年生という形になります。
 次に連携型中高一貫校ですが、地域の高校、地域の中学が所属を変えずにお互い協力する形態です。高校の先生が中学校で教えたり、中 学生が高校で活動を見学する等、柔軟に協力関係を作るというものです。
 長野県がこれから作ろうとしているのは併設型中高一貫校で、併設型中学校から入学し、高校に上がる時はそのまま無試験で併設型高等 学校に進学する形態です。県の計画案では清陵高校は中学から無試験で昇級するクラスは2クラス80人で、清陵高校は現在の6クラス規 模を維持する必要があることから残りの4クラスは高校入試で募集します。併設型中学校から進学する2クラスと高校入試で入学する4ク ラスが高校一年で一緒になる形態で、6年間在学した生徒と3年間在学した生徒が同時に卒業していくことになります。
 全国の中高一貫校のパターン別設置状況では、平成22年の全体402校中の273校が併設型で67.9%を占めています。併設型の 利点は併設型中学から進学する生徒と入試で入学する生徒が切磋琢磨し、良い教育効果を生んでいる例が全国で多く、併設型が増えている 理由だと思います。
 中高一貫校のスタイルは色々ありますが、一番子供達にとって効果が上がる方法を長野県教育委員会では採用しようと進めています。 併設型中高一貫教育の導入経緯ですが、古くから県で検討してきた経緯があります。スタートは平成10年に文部科学省が公立の中高一貫 教育の制度導入を決定し、翌11年から全国で公立の中高一貫高校がスタートしました。長野県では、平成12年に検討委員会が設置され、 平成13年には「平成16年度以降の設置を目指す」と発表をしました。清陵高校では県の決定を受け、平成13年に検討委員会を設置し 「併設型中高一貫教育を導入したい意向を県教委へ報告する」旨を決定しました。しかし、県の方針が180度変わってしまったことから 頓挫して今日に至っています。
 活発な動きが始まったのは、平成21年6月に県教育委員会から第1期長野県高等学校再編計画が発表されたことにあります。再編計画 では高等学校の統合が進められており、南信では飯田工業高校と飯田長姫高校が平成26年開校を目途に統合が検討されています。また、 再編計画の中に「併設型中高一貫を、本県におけるモデルケースとして位置づけ東北信、中南信に1校ずつ設置する」と発表がありました。 これを受け東北信では屋代高校が昨年決定し、中南信では過去に研究をした経緯もあった清陵が検討を進めてきています。一昨日、県教委 主催の地域懇談会が伊那で開催されましたが、南信の広い地域性の中で「諏訪には通いきれない」「伊那にも作る予定はないのか」との 意見も多くありました。県では第1期長野県高等学校再編計画を順次進めて平成30年に完了させ、平成31年から第2期を始める予定で、 屋代や清陵の姿をみて新しい中高一貫校を作るかどうかの判断をしようと考えているようです。
写真
諏訪清陵高等学校
出展:諏訪清陵高等学校HP
 長野県の発表を受け、清陵高校では昨年の6月から検討・研究を始めました。本校にとって非常にありがたいバックアップになったのは 二点あります。
 一点目は、平成21年6月に諏訪中等教育懇談会の中に10名の研究委員会が設置され、今年の2月に「公立中高一貫高校については 諏訪地区への設置を期待する」と全体会の場で答申されました。
 二点目は清陵高校の同窓会の皆さんの大きな動きがありました。県外の公立中高一貫の視察等を踏み、今年の6月に同窓会総会で「中高 一貫教育の導入を支持し、積極的に支援していく」と意見をまとめて頂きました。地元の皆さんの力強い支援の中で、清陵高校も研究・検 討を進めてきました。まず公立の中高一貫教育で成功している全国の7校の視察を行いました。特に岡山県の操山高校は併設型の中でも一 切クラス替えをしないスタイルで、入試がなく受験勉強も無いことから広く深く時間をたっぷり使える学習が実践できます。また千葉県の 千葉高校は中高一貫校になる3年前は毎年30人くらいが東大に入学するトップの進学校でした。中高一貫校になって生徒や保護者の皆さ んに「何故選んだのか」についてアンケートを行った結果、「ゆったりと落ち着いて勉強ができる」「無試験で千葉高校に入れる」「子供 達の個性を伸ばせる」と回答しており、「難関大学に入学できる」との期待は、ほんの僅かでした。6年間という長い時間を活かして自分 や自分の子供さんが「ゆったりと、しかもしっかりとした力を身に付けられる」と賢い選択をしていました。私共はこれらの視察を通じて 7校は大きく参考とさせて頂きました。
 現在第二期の学校視察を行っています。第一期の7校の視察は「中高一貫校を目指すか否か」の結論を出すための研究で、第二期は「教育 内容はどうするのか」「中学と高校の教育課程はどうするか」等について県内外を含め視察を行っています。既に都内の麻布学園、開成学 園、県内は佐久長聖中学等の7校を視察していますが、今後は日比谷高、福井県の高志高校等の視察を予定しています。特に福井県の至民 中学は中学校でありながら、通常の50分ではなく70分授業を採用しており、どんな工夫で70分授業をしているかを参考にしたいと思 っています。
 清陵高校は何を目指して中高一貫に踏み切ったのかについてお話します。
 大きな背景は二点ありますが、一点目は「諏訪の子供達は諏訪で育てる」という願いです。残念ながら分析結果では小学生を持つ保護者 のニーズとして小学生が諏訪エリア外への通学を選択しています。現在、諏訪地域から松本の才教学園の小学校に通学している子供達が約 40名います。更に小学校から中学に上がる時に松本秀峰、信大付属中学、県内外の私立の中高一貫校へ約40名が進学しています。文化 や経済の将来を見越した時に「地元の子供は地元でしっかり育てる」ことは一番重要なことで、ニーズがあればニーズに応える学校を作る 必要があります。
 二点目は、領土の問題、貿易の問題等の様々な広い視野で考えていかないと、これからの時代は解決できない問題が益々出てくると思い ますが、これらの問題を先頭に立って考えることのできる若者が日本では必要だと思っています。自分本位ではなく、人のこと、社会のこ とをしっかり考えることができる世代を育てていくことが重要だと考えています。中高一貫校はこれらを実践していく上では非常に有効だ と思っています。中高一貫校は難関大学に入学することが目的ではなく、時間にゆとりがあることから、自分の頭でしっかり物事を考える こと、学校の外に出て先生以外の大人と接することで様々な社会を考える等を特に中学時代はしっかり行い、人間の基本的な力を身に付け ていくことが重要だと考えています。私は広い意味での「学力」だと思っています。それらが土台に無く受験勉強を小手先でやって進学し ても「将来何をしてくれるのか」「将来の安心した社会を作ってくれるのか」が不安に思う訳です。人間的な力、広い意味での「学力」を 身に付けないと将来場面々で活躍できる人材は育たないと思っています。千葉高校では中学過程の3年間を終了する時点で「中学卒業論文」 を作成します。東京の放送局、新聞社、企業等を自ら予約して訪問し、体験やインタビューを通じて視野を広げ、物を考える力を習得して います。これこそが中高一貫校の一番大きな、特に公立がやる意味があると思っています。
 清陵高校では、これから中学生の校舎を作ることになります。ホームルーム教室も必要ですし、80名が一同に集まって学習できる環境 や高校には無い技術家庭科の実習室も必要になります。昨今の県財政は厳しく、屋代高校も思い通りの校舎ができない状況のようです。 これから地元の皆さんのご協力を賜り、ご意見を拝聴しながら進めていきたいと思っています。
 本日は貴重な時間を頂き、ありがとうございました。


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