riemblem International District 2600 諏訪ロータリークラブ
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 諏訪ロータリークラブの血筋



 世界中のロータリークラブはそれぞれ独自の性格を持っていて、一つとして同じものはない。
 諏訪クラブもまた特性を持っている。それは1957年6月11日の創立総会から、翌年4月の認承状伝達式の間に形づくられたものが多い。クラブに入る前はせいぜい顔を知っている程度の知り合いであった連中が、毎週集まって慣れない例会を開き、10ヵ月後には全国のロータリアンを招いて、自らの手で式典、祝賀会、観光など一切の準備と開催に傾倒したことで、実質的に諏訪クラブは生まれた。
 当然、そこにはお体裁を超えた意見の衝突があり、摩擦があった。しかし一方、諏訪のクラブづくりに寄せられた松本クラブの燃えるような奉仕の精神、例会出席、メーキャップ、地区大会参加などによって体で覚え始めたロータリーの世界は、会員相互の理解と親睦を深めて、かつてなかった人間関係をクラブ内部につくり始めていた。そして1958年4月28日の認承状伝達式を頂点として、すべての会員の間に心の垣根はなくなった。
 仕事のことでも、家庭のことでも、心配事であろうと、嬉しいことであろうと何でも打ち明けて話し合える関係が生まれた。困難な仕事に皆で取り組み、共に悩み、共に語り、共に汗を流した結果である。これ以来、永く諏訪クラブ内の活動にも、対外的奉仕でも多大の成果をあげることになる。そしてこの活動がまた会員の親睦を深める結果となった。諏訪クラブは、定款とか細則とかであまり細かいことは言わない性格があるが、人と親しくなって初めて人の役に立つことができる、即ち奉仕の機会としての知り合いを拡めるというロータリーの原点において、諏訪クラブは生まれながらにして最もロータリー的であった。
 国際ロータリー75周年記念フォーラムで、寺島先生が「肚を割って話し合える間柄」を強調されたのもこの点であろう。諏訪クラブ会員間の特質はこれであった。
 対外的な特色としては地域社会のことを考え、地域に密着し、そのために奉仕しようとする地域尊重の精神である。諏訪クラブ創立当時、クラブの地域は諏訪の盆地全域を包含していたが、特に意を用いたのは諏訪湖に友情の橋を架けて、そのころ常に競争的であった岡谷と諏訪の関係を、理解と協力の関係に改めようとした点である。
 諏訪湖周辺の人々がクラブを通じてこの目的のために協力し合った。これこそロータリークラブの親睦のおかげであった。そしてそれはやがて発展して岡谷クラブの創立となり、伊那クラブの誕生となった。
 松本クラブから授かった奉仕の精神と熱意は、諏訪クラブでじっくり醸成されて、内にも外にも拡がっていった。
 クラブの例会を単なる昼食会で終わらせず、何か地域のためになることを考え、実行せずにはいられないのはこのせいであろう。そして今「諏訪盆地が一体である」ことの必要性を痛感し、このために岡谷・富士見・茅野クラブ共々勉強会を開いている。必要なことは一年に一度は全員が同じ考えになって、力を合わせ、知恵を出し合って、汗を流して一つの行事をやり遂げることである。  世界は年ごとに変わり、国際ロータリーはこれに対応しようとクラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕のそれぞれに、時代と地域に係わる問題と解決の仕方を示してくれる。諏訪クラブが国際ロータリーの求める諸問題解決に奉仕するためには、肚を割って何でも話し合える人問関係の上に立って、地域に土着した奉仕を行うことが出発点であることは、創立当時も今も同じである。これが諏訪クラブの生まれ育って来た生いたちであり伝統の重みである。



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